« 2026年6月 | トップページ

2026年7月

【授業レポート】空間デザインコース3・4年生合同課題「渋谷区のデザインサーベイ」歩いて、考えて、また歩く。

こんにちは。空間デザインコース3年の菊地隆乃介です。

今回は、3・4年生合同課題「渋谷区のデザインサーベイ」を通して私が感じたサーベイの面白さや学びについて紹介します。

 

サーベイと言われても、すぐにイメージできる人は少ないのではないでしょうか。

 

実は私たちも、この課題が始まった当初は「サーベイって何だろう?」というところからのスタートでした。

サーベイとは、現地で実測や観察を行いながら情報を収集する活動です。

まずは、その意味や目的を調べ、理解することから始めました。

Image3_20260724135201 

図書室でサーベイについて調べている様子

 

その後、渋谷区内の指定されたエリアを対象に、個人でデザインのためのサーベイを行いました。

同じサーベイでも着眼点は人それぞれです。私は代々木でインタビューを行いましたが、服装や人の流れ、勾配などに注目する学生もおり、同じ街でも見方によってまったく異なる発見が生まれることを実感しました。

Image4_20260724135101 

途中成果発表会の様子

 

こうした経験を踏まえ、3・4年生合同で「対比」をテーマに渋谷区のデザインサーベイに取り組みました。

私たちの班は、甲州街道・井の頭通り・山手通りという3つの道路に着目し、それぞれの特徴や違いを比較・分析しました。人の流れや街並み、周辺環境などを比較しながらサーベイを進めました。

Image7_20260724135101 Image6_20260724135101 Image2_20260724135102

サーベイの記録映像抜粋

 

一度目の発表では道路ごとの違いをまとめましたが、その後さらに調査を深める機会がありました。その中で私たちが注目したのが道路沿いの植物です。葉の色や状態の違いから、「なぜこの違いが生まれるのだろう?」という疑問が生まれました。



そこで私たちはもう一度現地へ足を運び、植物に着目してサーベイを行いました。観察し、考え、また確かめる。その過程を繰り返す中で、植物の状態から街の環境や道路ごとの特徴を読み解けることや、一つの疑問を深く掘り下げる面白さを学びました。


Image5_20260724135101 Image1_20260724135101 Image8_20260724135101
それぞれの道路で拾った植物の様子

 

特に印象に残っているのは、4年生の着目する視点や疑問の持ち方です。同じ街を歩いていても、自分では気づかなかったことに目を向けていて、考えをさらに深めるきっかけになりました。

 

実際に課題へ取り組んでみると、サーベイは単に情報を集めるだけではありませんでした。現地を歩き、気になったことを観察し、その理由を考え、もう一度現地で確かめる。その過程そのものに、この課題の面白さがあったように思います。

 

皆さんも身の回りにある「なぜ?」を掘り下げてみると、新しい発見や思いがけない気づきに出会えるかもしれません。

|

Shiseido Beauty Park訪問レポート ―「美」と科学・文化の接点を探る―

こんにちは、デザイン学部視覚デザインコース 准教授の深澤健作です。

先日、同じデザイン学部視覚デザインコースの葛原俊秀先生とともに、本学と資生堂との交流の一環として、 横浜・みなとみらいに位置するShiseido Beauty Parkを訪問しました。本訪問には千葉茂理事長をはじめ本学各学部の教員が参加し、資生堂の研究開発拠点における「美」の探究と、その体験型展示について理解を深める機会となりました。

 Image001_20260702104201

館内では、「美」を科学と感性の両面から捉える展示が展開されており、特に印象的だったのが、Art & Science LabとArt & Heritage Passageの2つのエリアです。

Art & Heritage Passageでは、資生堂の歴史や文化的活動を通じて、「美」がどのように時代とともに形成されてきたのかが紹介されていました。特に印象的だったのは、記憶と結びついた香りを体験する展示で、感覚と記憶、そして表現が密接に関係していることを体感する機会となりました。

Image002_20260702104201
常設展示「1872」
日本初の民間洋風調剤薬局として、銀座に創業した当時の貴重な歴史資料が展示

 

Image003_20260702104201
常設展示「What enriches life?(何が人生を豊かにするか?)」
美や人生について、様々な問いかけが空間に散りばめられている

 

Image004_20260702104201
体験型展示「Scent of Memory(記憶の調香台)」
季節に合わせた没入感のある映像を楽しむことができ、場面ごとにシンクロしたやさしい香りが漂う体験も用意されています

 

また、Art & Science Labでは、映像・音・香りを組み合わせた没入型の体験を通して、身体や感覚から「美」を捉える試みが行われていました。巨大スクリーンによる映像体験は、単なる鑑賞にとどまらず、心身の状態に変化をもたらすよう設計されており、「美」が感覚を通じて成立することを実感できる内容でした。

Image005_20260702104201

Image006
体験型展示「Art & Science Lab」
季節に合わせた没入感のある映像に加え、場面ごとにシンクロしたやさしい香りが漂う体験も魅力のひとつです

 

今回の訪問を通じて、資生堂が「美」というテーマを、研究開発とブランド、科学と感性の双方から一体的に捉えていることが強く印象に残りました。単に製品を生み出すだけでなく、その背後にある思想や体験を社会に提示する姿勢は、デザイン分野においても多くの示唆を含んでいます。

自分が担当する授業においても、素材・感覚・意味のつながりや、体験としてのデザインという視点を取り入れながら、「美」と視覚表現の関係について探究していきたいと考えています。

今後の連携の可能性も含め、大変有意義な訪問となりました。

 


Shiseido Beauty Park(資生堂) 

所在地:神奈川県横浜市

公式サイト:https://shiseidobeautypark.shiseido.com/

 

|

« 2026年6月 | トップページ