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【2025年度より開講】デザイン学部「社会連携実習」スタート!

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こんにちは、デザイン学部長の酒百宏一です。

2025年度よりデザイン学部では、新たに「社会連携実習」が開設されました。

この授業は、2年次からの集中開講科目で、デザイン学部と教養学環が、大田区と連携して、実際の社会課題に触れながら学ぶことを目的とした実践型の授業です。

2023年度から段階的にプレ実施を重ね、地域との信頼関係を築きながら教育効果と連携のあり方を検証してきた実績をふまえ、今年度から正式な科目としてスタートしました。

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2024年度に実施したプレ実習の様子

この授業では、学生が地域社会と直接関わりながら、課題の本質を見つめ、行政や住民とともに解決の道筋を考え、提案する力を養うことを目的としています。

本授業ではデザインを学ぶ学生として、行政や企業、市民といった多様な関係者と協働するプロセスを通じて、他者と共に考え、行動する力を養います。この授業は、そうした社会的な実践知を育む場として、学部・学環の垣根を越えて展開されていきます。

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2024年度に実施したプレ実習の様子

授業は大田区などと連携し、実際に区内の担当部署から提示されたリアルな地域課題をもとに進行します。学生はグループに分かれ、フィールドワーク、地域住民や行政職員とのヒアリング、アイデア創出、提案発表までを行います。

 

昨年度のプレ実施では、以下のようなテーマが扱われました。

  • 「地域に愛される橋づくり」(建設工事課)
  • 「男女共同参画を知ってもらおう」(人権・男女平等推進課)
  • 「美しい集積所をめざして」(清掃事業課)

 

学生たちは実際に地域を訪れ、テーマに関する関係者などから丁寧にヒアリングを行い、課題に対する提案を図やイメージ画を用いて視覚的にわかりやすくプレゼンテーションしました。大田区職員とのディスカッションでは、実現可能性や現場目線での視点が交わされ、提案の現実性を高めるフィードバックが多数寄せられました。

また大田区職員の方々から、「学生の目線だからこそ見えてくる現状や課題に、私たち職員も新たな気づきを得た」といった声が多く寄せられました。

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2024年度に実施したプレ実習の様子

学生たちの自由な発想や問いかけは、必ずしもすぐに解決策に直結するものではないかもしれません。しかし、行政職員にとっては、これまでにない視点から自らの業務や地域の現状を見直す機会となり、職員研修のような側面を持つ非常に意義深い取り組みとして評価されました。

 

今年度から本格的にスタートするこの「社会連携実習」は、地域とともに学び、社会とつながる実践的な教育の新たなステージとなります。

学生たちが、どのような視点で課題に向き合い、どんな提案を生み出していくのか。そのプロセスそのものが、地域に新たな気づきをもたらし、デザインの力の広がりを示すことになるでしょう。

 

今後の学生たちの活躍に、ぜひご期待ください。



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(C)2012 Tokyo University of Technology, School of Design.