国際交流と創造のプロセス〜アンソニー・ホエテ教授によるWaka Drawingワークショップでの学び〜
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こんにちは、東京工科大学工業デザイン専攻2年の城田恵生です。
2024年11月10日と11日の二日間、工業デザイン専攻2年生を対象にした演習として、オークランド大学(ニュージーランド)のアンソニー・ホエテ教授による特別ワークショップが開催されました。この記事では、このワークショップで私が学んだことや感じたことを書いていきます。 ワークショップのタイトルは、「Waka Drawing(ワッカ・ドローイング)」です。
ワークショップはアンソニー・ホエテ先生のレクチャーから始まりました。
「ワッカ」はニュージーランドの先住民族であるマオリの言葉でカヌーを意味する単語です。
その昔、マオリの人々が遠く離れた場所から「ワッカ(カヌー)」を使い、協力してニュージーランドに渡ってきた歴史がヒントになっています。1日目は、学生たちがカヌーに見立てた大きな布を囲み、それぞれ自由に住宅のドローイングを描きました。
カヌーに見立てた大きな布をみんなで囲んでドローイングを描いていきます。
とにかく手を動かして1日の終わりには布一杯にドローイングが完成しました。
2日目は、二人一組のペアとなり、前日に書いた住宅のドローイングを立体化し、協力してオリジナルの住宅を完成させることが最終目標でした。
今回のワークショップでは、住宅の空間構成を考える「思考」と、実際に手を動かし描いていく「行動」を同時に行わなければなりません。加えて、それらを2日間で完成させるための「瞬発力」も求められる内容でした。
これまでの授業でもデザイン学部の先生方は「とにかく手を動かそう!」とおっしゃっていましたが、僕は「思いつかないんだから仕方ない!」と心の中で反発しながら、その声を無視していました。
しかし、今回のワークショップでは、考えるより前にとにかく手を動かさざるを得ないという状況に置かれました。実際に手を動かしてみると、頭の中で描いていた曖昧なイメージが目にみえる形になっていき、形として現れたものからさらに新しい考えが引き出されていくという感覚を体験できました。
手を動かしながらの試行錯誤が積み重なってひとつの住宅に成長していく、このプロセスを体験できたことが楽しく、今回のワークショップを通じた体験は自分にとって大きな自信になりました。
デザインにおける「瞬発力」の重要性とその意味を、今回のワークショップを通じて少し理解できた気がします。
何でもいいから、とにかく少しでも手を動かしてみると、頭で考えているだけでは見えてこなかったことが、見えてくるという経験。デザインって自由でいいんだ、創造なんだと改めて実感できました。
アンソニー・ホエテ先生によるワークショップは、言語の壁がありながらも、デザインという共通点で心つながる瞬間でした。
デザインを通じて異なる文化や価値観を超えたコミュニケーションができた貴重な体験でした。この経験を機に、これからは日本だけでなく海外にも目を向けた活動をしていきたいと思います。
ありがとうございました。
ワークショップ動画はこちらから
今回のワークショップの様子をまとめた動画が、大学サイトに掲載されています。実際の活動の様子や学生たちの取り組みをぜひご覧ください!