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2024年12月

国際交流と創造のプロセス〜アンソニー・ホエテ教授によるWaka Drawingワークショップでの学び〜

こんにちは、東京工科大学工業デザイン専攻2年の城田恵生です。

2024年11月10日と11日の二日間、工業デザイン専攻2年生を対象にした演習として、オークランド大学(ニュージーランド)のアンソニー・ホエテ教授による特別ワークショップが開催されました。この記事では、このワークショップで私が学んだことや感じたことを書いていきます。 ワークショップのタイトルは、「Waka Drawing(ワッカ・ドローイング)」です。

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ワークショップはアンソニー・ホエテ先生のレクチャーから始まりました。

 

「ワッカ」はニュージーランドの先住民族であるマオリの言葉でカヌーを意味する単語です。

その昔、マオリの人々が遠く離れた場所から「ワッカ(カヌー)」を使い、協力してニュージーランドに渡ってきた歴史がヒントになっています。1日目は、学生たちがカヌーに見立てた大きな布を囲み、それぞれ自由に住宅のドローイングを描きました。

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カヌーに見立てた大きな布をみんなで囲んでドローイングを描いていきます。

 

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とにかく手を動かして1日の終わりには布一杯にドローイングが完成しました。

 

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1日目の集合写真。みんな満足な表情です。

 

 

2日目は、二人一組のペアとなり、前日に書いた住宅のドローイングを立体化し、協力してオリジナルの住宅を完成させることが最終目標でした。

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2日目は二人組に分かれ、立体的に住宅空間を考えていきます。

 

今回のワークショップでは、住宅の空間構成を考える「思考」と、実際に手を動かし描いていく「行動」を同時に行わなければなりません。加えて、それらを2日間で完成させるための「瞬発力」も求められる内容でした。

これまでの授業でもデザイン学部の先生方は「とにかく手を動かそう!」とおっしゃっていましたが、僕は「思いつかないんだから仕方ない!」と心の中で反発しながら、その声を無視していました。

しかし、今回のワークショップでは、考えるより前にとにかく手を動かさざるを得ないという状況に置かれました。実際に手を動かしてみると、頭の中で描いていた曖昧なイメージが目にみえる形になっていき、形として現れたものからさらに新しい考えが引き出されていくという感覚を体験できました。

手を動かしながらの試行錯誤が積み重なってひとつの住宅に成長していく、このプロセスを体験できたことが楽しく、今回のワークショップを通じた体験は自分にとって大きな自信になりました。

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完成した二人一組のオリジナルの住宅。

 

デザインにおける「瞬発力」の重要性とその意味を、今回のワークショップを通じて少し理解できた気がします。

何でもいいから、とにかく少しでも手を動かしてみると、頭で考えているだけでは見えてこなかったことが、見えてくるという経験。デザインって自由でいいんだ、創造なんだと改めて実感できました。

 アンソニー・ホエテ先生によるワークショップは、言語の壁がありながらも、デザインという共通点で心つながる瞬間でした。

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最後は自分たちが制作した住宅のアイディアを発表しました。

 

デザインを通じて異なる文化や価値観を超えたコミュニケーションができた貴重な体験でした。この経験を機に、これからは日本だけでなく海外にも目を向けた活動をしていきたいと思います。

ありがとうございました。

 

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2日目完成した作品と一緒に、参加したみんなで集合写真。

 


ワークショップ動画はこちらから

今回のワークショップの様子をまとめた動画が、大学サイトに掲載されています。実際の活動の様子や学生たちの取り組みをぜひご覧ください!

オークランド大学 アンソニー・ホエテ教授 特別授業


 

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NICOGRAPH賞を受賞しました!

こんにちは! デザイン学部情報デザインコース講師の井藤雄一です。

 

この度、教員の研究活動として2024年11月8日(金)~11月10日(日)に開催された芸術科学会主催のNICOGRAPH 2024に参加し、研究発表を行いました。

https://www.art-science.org/nicograph/nico2024/

NICOGRAPHは、CGやマルチメディア分野の論文発表の場として長い歴史を持つ、日本におけるCG・マルチメディア分野の恒例行事で、今年で40周年を迎えます。そして今回、この大会でNICOGRAPH賞を受賞しました!

この賞は、3日間の発表の中で面白いと感じた口頭発表を聴講者が投票で選ぶ賞です。聴講者の方々から評価される、とても名誉ある賞をいただけたことを、大変嬉しく思います。

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発表中の様子。撮影は大学院生の顔鑫さん。

 

今回の研究では、映像を滑らかにするためのフレーム補間技術をあえて一般的ではない方法で利用し、新しい映像デザイン手法「フレームモッシング(Framemoshing)」を提案しました。

この手法は、映像のフレーム間を意図的に不自然に補間することで、ピクセルが混ざり合う独特な視覚効果を生み出します。例えば、1秒間に1コマしかない映像を滑らかに動いているように無理やり補間すると、元の映像には存在しない動きや形が生成され、視聴者に独特な映像体験を提供します。

以下の動画は、研究の評価のために制作したものです。

 

約10秒ごとに写真が切り替わるスライドショーのような静止している動画に対して、フレーム補間技術を活用することで、常に動き続ける一般的な動画のように加工しました。静止しているはずの映像に、前後の写真の関係性からコンピュータに動きを生成させることで、これまでにないユニークな映像デザインを実現しました。

この研究は、既存の技術を新たな視点で活用することで、新しいデザインの可能性を示す試みです。日常的に利用される技術やシステムを再解釈し、鑑賞者に新たな視覚体験を提供することを目指しています。

今回の受賞を励みに、さらにこの手法を発展させ、映像表現や情報デザインの新しい可能性を探求していきたいと考えています。

 

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JAGDA国際学生ポスターアワードに入選しました!

こんにちは!視覚伝達デザインコース3年の田﨑梨乃です!

JAGDA国際学生ポスターアワードにて、私の制作したポスターが入選ました。このアワードは、国際的なデザイン協会であるJAGDAが、国内外の優れた若い才能の発見と顕彰、及びグラフィックデザインの新たな発展と進化を目的に創設されました。

 

今年は国内外から3000点を超える作品が集まり、その中から200点の入選作品に選ばれました!

テーマPeace」の文字を入れることを必須とされていたので、私は戦争をイメージしたグラフィックを制作することに決めました。

ただグラフィックを制作するだけでは他の作品に埋もれてしまうので、私は「モザイク」を用いた表現を行いました。この「モザイク」は、大学授業の写真集を制作する課題で用いたアイデアで、大学での学びを活かすことができました!

制作するにあたり、何度か小田敬子先生に見て頂きました。この画像が、ラフ段階のものです。

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そして、小田先生からのフィードバックを元に完成したデザインがこちらです。Image2_20241203202101

 

平和を意味する鳩、人と人との繋がりを意味する手、土地や文化を意味する瓦礫の3つの連作のポスターデザインです。モザイクには、モザイクの下にあるのは傷かも知れないし治癒した部分かもしれない、これからも未来を決めるのは私たち次第という意味が込められています。

入選したポスターは、12月9日(月)まで六本木にある国立新美術館に展示されています。展示会場で見ていただけたら嬉しいです!

 

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展示風景

 


https://www.jagda.or.jp/news/8593/

展覧会「JAGDA国際学生ポスターアワード2024」会期:2024年11月27日(水)~12月9日(月)10:00-18:00

*12月3日(火)は休館/最終日は15:00まで/入場は閉場の30分前まで/入場無料

会場:国立新美術館(東京・六本木)展示室1C

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永島譲二先生による特別授業「クリエイティブ思考ワークショップ」を実施しました

こんにちは。工業デザインコース講師の堀川卓哉です。
今回は、10月21日・22日に行われた永島譲二客員教授による特別授業「クリエイティブ思考ワークショップ」についてご紹介します。

このワークショップでは、「スタートとゴールの2地点を設定し、その間を体験する〇〇をデザインする」というテーマに基づき、デザイン学部の「視覚デザイン」「情報デザイン」「工業デザイン」「空間デザイン」の各コースから集まった有志の学生たちが4つのチームに分かれ、グループワークを行いました。

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Aチームは「宇宙の自由帳」というコンセプトで、地球から月までの移動をデザイン。無重力を体験できる内部構造や、360度シアターで宇宙空間を楽しむ仕組みを提案しました。

Bチームは「トラベリンと一緒」というAI搭載のモビリティをデザインし、ユーザーと感情を共有しながら長距離移動が楽しめるアイデアを発表しました。

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Cチームは「日本縦断ウォーキングドライブ」と題し、ホロタイルの上を歩いて移動するモビリティを考案。日本各地の景観を楽しみながら移動できる体験をデザインしました。

Dチームは「It’s a small Japan」という球体型の空間を提案し、7日間で日本各地を巡り、地域ごとの空間を楽しむ構造を考案しました。

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限られた2日間で、学生たちは集中力と創造力を発揮し、見応えあるプレゼンテーションを披露しました。
この特別授業を通じ、デザインの新たな可能性を感じる貴重な機会を得たことと思います。

永島譲二先生、貴重なご指導をありがとうございました。

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