アートディレクションの魅力〜アイデアを形にするクリエイティブな職業とは?〜
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視覚デザインコース准教授の小田敬子です。
今回は、「視覚デザインコース」で学ぶアートディレクションについて、紹介します。
アートディレクターは①ビジュアルコンセプトの設定、②クリエイティブチームのワークフローの管理、③プロジェクト全体のビジュアル品質の管理など、リーダーシップを発揮してテーマや目的を達成し、最高なビジュアルソリューションを提供していく仕事です。広告、ファッション、映画、ウェブデザイン、出版など、さまざまな業界でアートディレクターが活躍しています。プロジェクトチームには多様な能力を持つ人々が集まり、それぞれの専門性やスキルを生かし、互いに協力し合いながら創り上げます。
図1)デザインプロジェクトチームのイメージ
ではデザイン学部教員のプロジェクトチームによる実例を見てみましょう。
事例)デジタルツインセンターのVI(ビジュアルアイデンティティー)とサウンドロゴ制作
東京工科大学片柳研究所は、最新の設備環境のもと、持続可能な社会の実現を支える先進的研究に取り組む施設があります。その中の一つに「現実と仮想の融合領域の開拓に挑む」デジタルツインセンターがあります。今回はデジタルツインセンター(※以下DTC)の発足にあたって、DTCのアイデンティティを視覚的に表現し、一貫性のあるブランドイメージを確立するために、VI(ビジュアル・アイデンティティ)およびプロモーションのためにフライングロゴを制作しました。フライングロゴとは、映像や動画のオープニングやクロージングに使われる、ロゴが動きながら登場するアニメーション効果のことです。
1) ロゴ制作[アートディレクター/グラフィックデザイナー]
現実空間から収集したさまざまなデータを用いて、仮想空間上に現実と同じ環境を「双子」のように再現する技術をデジタルツインと呼びます。ツインのイメージを大切にロゴデザインは左右対称に近づけています。
2) フライングロゴ制作[アートディレクター/モーショングラフィックデザイナー/サウンドデザイナー]
アートディレクターは動画のコンセプトを決めます。鏡面に動く回転体でツインを表します。モーショングラフィックデザイナーに伝わるように指示書を作成します。
次にサウンドデザイナーに音のイメージを伝えます。DTCはデジタルとアナログの融合による新たな表現であり、デジタル音源とアナログ音源の両方を組み合わせることでその世界観を表してもらうよう伝えました。完成したフライングロゴをご覧ください。
図5)フライングロゴ(音付き)
このようにアートディレクションはビジュアルでメッセージを伝える「ストーリーテリング」の力が重要な要素であり、自分の考えや感じたことを形にして、人々に影響を与える非常に魅力的な職業です。
東京工科大学デジタルツインセンターについてはこちら
https://www.teu.ac.jp/dtc/