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2023年9月

「阿佐ヶ谷仮囲いアートワーク『木と石ころ』」に参加しました。

こんにちは!東京工科大学工業デザイン専攻、学部生4年の鹿取慎太郎です。

この記事では、2023年8月に宮元三恵先生(空間デザインコース教授)の指導で参加した取り組みをご紹介します。

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完成した作品と取り組みに関わった方々(一部)


舞台は、まちづくりの計画に基づいて病院の移転改築工事が始まっている東京都杉並区の阿佐ヶ谷駅北東地域です。

今後、順次工事が行われるこの地域には、白くて長い無機質な仮囲いが長期間に渡って設置されることになります。

 

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施工前の仮囲い

今回の取り組みは、阿佐ヶ谷駅北東地区エリアマネジメント推進懇談会の発案で、古道に面した仮囲いを地域の子どもたちと私たち大学生とが協力して楽しさが感じられるものへと変え、地域に賑わいを演出しようというものです!

テーマとなる「木と石ころ」は、仮囲いが設けられている古道にちなんでいます。この古道にはわくわくする色や形の石ころや、屋敷林のつくる心地よい木陰があり、江戸時代以前からのこの地の歴史を感じることができる場所です。

 

まずは地域の子どもたちの元へ出張ワークショップにいきました。子どもたちは今回の仮囲いのデザインを素敵なものにしてくれる主役です!

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宮元先生の説明をしっかりと聞く子どもたち

 

ワークショップでは訪れた施設の子どもたちと一緒に、石ころを模したシートにカラフルな柄のシールを貼り付けて、思い思いの模様を施した自分だけの石ころを作り上げました。

初めは緊張していてなかなか手が進まない子も、「この色とこの色を組み合わせると素敵じゃないかな?」「おっ、みて!クマみたいな模様ができそう!」のように、私たち学生とのコミュニケーションを通じてみるみるアイデアが生まれていく瞬間はとても刺激的でした。

 

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大学生と協力して石ころシートを制作する様子

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最後はハイタッチでお別れ(※ぼかし加工を入れています)

この出張ワークショップを通じて生まれた石ころシートは合計で約300枚になりました!

改めて考えると、約300人の子どもたちとの出会いがあったということ…驚きを隠せません!!

 

次はいざ、現地の仮囲いに子どもたちの石ころシートを貼り付ける作業です。

同じ形や柄など一つもない、世界に一枚だけの石ころシートを、この古道に転がる石や木陰と調和するように意識しながら貼り付けていきました。

真夏の炎天下でもくもくと作業を進める中、私たち学生みんなが密かに思っていたことがあります。

 

「僕たちも自分の石ころシートが作りたい…!!」

 

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阿佐ヶ谷の子どもたちに仲間入り!

ということで、子どもたちの石の中に、私たちの作品もお邪魔させていただきました〜!

楽しみながらテキパキと貼り付け作業を進め、予定していたよりも余裕を持って作品が完成しました!

夕方になると、早速参加してくれた子どもたちが遊びにきてくれました。熱心に自分の石ころを探して楽しんでくれている姿を見て、私たちも頑張った甲斐があったなと喜びもひとしおでした。

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貼り付け作業中に降り注ぐ綺麗な木陰

今回の取り組みのように、私たち東京工科大学の学生は、長期休みの期間を利用して大学の外へ飛び出し、地域の人々とコミュニケーションを交わしながら制作活動をする取り組みも行っています。

 

今回大学からは、私が在籍している工業ものづくりデザインコースのほかに、空間演出デザインコース、視覚伝達デザインコース、視覚情報デザインコースに在籍している、学年とコースの垣根を越えた学生たちが参加しました。制作の場面では、それぞれが得意とする専門領域からの意見を交換し合いながらゴールまで一緒に走り抜けることができました。

 

自分自身との対話で黙々と進めていく普段の制作活動とは違い、他の学生や地域の皆さんと協力することでとてもエネルギッシュで刺激的な体験ができたと感じています!

そして、その先には自分たちの行動が社会をより良くするために役立っていくかもしれないという実感がジワジワと湧いてきました。

改めて「デザインって超〜楽しい!!」と気づくことができた貴重な体験でした。

 

素敵な夏休みの思い出をありがとうございました!!!

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アートワーク全景

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「阿佐ヶ谷仮囲いアートワーク『木と石ころ』」

所在地:杉並区阿佐谷北1-6-5(南側私道の工事用仮囲い )

阿佐ヶ谷駅北東地区エリアマネジメント推進懇談会
HP: https://asagaya-mura.com/index.html

株式会社中川ケミカル(施工担当業者)
HP:https://nakagawa.co.jp/works/list.php
インスタグラム:https://www.instagram.com/nakagawachemical/
X(旧Twitter):https://twitter.com/cuttingsheet

※この作品は、令和6年11月までの公開を予定しています。通常車両の通行がない道ですが、舗装等の整備がされていませんので、足元に気をつけてご鑑賞ください。

 

 

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工業ものづくりデザインコースの演習授業の紹介

こんにちは。東京工科大学デザイン学部工業ものづくりデザインコース講師の堀川卓哉です。

夏休みも終わり後期授業が始まりました。今回は工業ものづくりデザインコースの「専門演習Ⅱ(3年次前期)」について紹介したいと思います。

演習では、サービス・3Dプリンタ・インダストリアルクレイの3つのテーマを設けグループに分かれて授業を進めました。

クレイチームは、プロダクトのプロトタイプ制作で使用する熱で柔らかくなる粘土(インダストリアルクレイ)を使用して工業製品の模刻(原物そっくりにまねて、彫ること)を行いました。デザインのディテールを観察しながら形の再現を行いました。

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インダストリアルクレイによるプロダクトモデル

 

サービスチームは、社会的状況などについてリサーチを行い現在の状況や環境を考えながら、新たなサービスが提案できないかアイデアを出していきました。ものとしての製品だけでなくサービスとしてどのようなアプローチができるか、学生同士話し合いを進めながらサービス提案をまとめていきました。


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サービスチームによるブレインストーミング・アイデア出し

3Dプリンタのグループは、現在あるプロダクトの記号性(ここではそのものらしさの意)を読み解きながら、プロダクトの意匠設計を行いました。デザインアイデアをもとに、形を3DCADで作成して3Dプリンタでの出力を行いました。初めて3Dプリンタを扱う学生も多いのですが、講習を受けながら3Dプリンタの機構や使用方法を理解して、自身のデザインを実際に触れる形でアウトプットすることができていました。画面上で見る形と、実際に手にする形の違いを考えながらプロダクトとしての精度をより高めていきました。

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3Dプリンターで出力したプロダクトモデル(テープディスペンサー)

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3Dプリンターで出力したプロダクトモデル(ケトル)

後期の授業では前期で学修したことをベースに、より発展した内容でデザイン提案できるように課題に取り組みます。




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デザイン学部の卒業生が「ASK?映像祭2023」にて「久里洋二賞」を受賞

こんにちは、情報デザインコース准教授の伊藤英高です。
今回は映像の分野で活躍するデザイン学部の卒業生を紹介します。

昨年度デザイン学部を卒業した石塚瑛介さんが、「ASK?映像祭2023」にて「久里洋二賞」を受賞されました。受賞した作品は「ever ReDreamer」というアニメーションの作品です。

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石塚瑛介さんの作品「ever ReDreamer」

アニメーションというと、いわゆるキャラクターアニメーションや3DCGなど、映画やWebで様々な表現方法を目にすることができますが、石塚さんのアニメーションは独自の手法を用いています。登場するキャラクターや背景などすべての素材は写真をコンピュータにより加工したもので、パーツを組み合わせて多様な動きを作り出しています。また、一般的な映像編集の概念から離れ、横スクロールのみで場面転換するという演出上の工夫が非常に特徴的です。

作品の内容は、一人の女性が成長していく中で様々な世間の意見や流行を鎧として身につけてしまいますが、やがて本来自分が持っている個性に気がつくまでを、セリフやナレーションなどの説明無しに象徴的なビジュアル表現のみで展開しています。

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写真素材を加工し、アニメーションとして動かしている

この作品は、今回の受賞以外にもGolden FEMI Film Festival 2023 (ブルガリア) 、Student World Impact Film Festival 2023(米国)など、複数の映像コンペティションでノミネートされています。石塚さんが4年生の時に制作した卒業制作作品なのですが、石塚さんはデザイン学部における学びの中で、造形やグラフィックの基本要素を身につけたうえで、従来にないアニメーション技法の研究と映像構成について特に深く学んでいました。自らテーマを絞って追求していたその姿勢がいま、開花していると言えるでしょう。今後のさらなる活躍を期待しています。

石塚瑛介さんのWebサイト
https://ishizukaeisuke.myportfolio.com/top

ASK?映像祭2023コンペティション審査結果
https://asku.sakura.ne.jp/ask/2023/06/19/ask?映像祭2023コンペティション審査結果/

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