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2023年1月

2022年度卒業制作展メインビジュアル制作について

こんにちは、視覚デザイン専攻4年の奥川直哉です。

今回は、昨年9月から12月にかけて卒業研究と並行して制作を進めてきましたデザイン学部卒業制作展メインビジュアルの制作プロセスについてご紹介いたします。

メインビジュアルは公募という形で始まりました。9月初めの締切日までエントリーする学部生各々がビジュアルを仕上げていき、学部生、教員投票により選抜された4名による最終プレゼンテーションの結果より、私の提案が選ばれることになりました。

コンセプトは、「人々が集う灯(あかり)としての焚火」です。
今まで積み重ねてきた経験(薪)を卒業制作で発揮し(燃やし)、卒展(炎)で魅せる事で人々を集める。そして、この卒展が今後の人生の象徴となり進化することを願います。

元々あったコンセプトやビジュアルとは別に、ブラッシュアップ案を複数個提案し、担当の先生方と共に試行錯誤を繰り返しました。何度も試作、検討を重ねたことで、初期の提案より説得力の増すビジュアルが出来上がったと思います。

ビジュアルの決定後は、文字の組み方や色や形の確認など細かい修正を重ねて、ようやく印刷やホームページなどのメディアへの展開となりました。

印刷では、刷り上がり見本を比べながら色やサイズの確認や、紙に艶を出したり消したりするニスの印刷を使った表現の検討をしました。
パソコンのモニター上で作業をしているのと実際に印刷した時の印象は思っているより変化が出ます。そのため、ビジュアル内にある薪の部分の、線の太さを3段階に分けて印象の確認を行いました。

 

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DMの刷り見本でニスの違いや、線の太さの検討

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ポスターの刷り上がりを確認している様子

 

最終的には、薪以外の部分を全てマット(艶無し)に加工することで、表面に艶がある部分と無い部分があるとても印象的な卒業制作展一連のビジュアルが出来上がりました。

私は2年間オンライン授業が続き、学部内で実際の印刷をする機会が少なく、今回の経験によって、卒業前に印刷について知識を増やすことができました。また、実際に先生方と意見交換をする時間があった事は、私の財産になったと思います。

卒業制作と並行して何度も繰り返された制作のためのトライアンドエラーは、時間にゆとりが無く常に厳しく感じていましたが、終わってみれば何度も試行錯誤したことで納得のいくビジュアルが出来上がったと考えています。最後まで楽しく向き合えたことも、良いデザインを形にする上で大切な事だったと思っています。

2023年2月2日(木曜日)から2月5日(日曜日)まで卒業制作展が開催されますので是非、足を運んでみてください。

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東京工科大学 デザイン学部 卒業制作展
2023年2月2日(木曜日)~2月5日(日曜日※)

東京工科大学 蒲田キャンパス3号館11F・13F・14F・15F (東京都大田区西蒲田5-23-22)
JR京浜東北線・東急池上線・東急多摩川線「蒲田」駅西口より徒歩約2分
https://www.teu.ac.jp/campus/access/006648.html

開館時間10時~17時/入場無料
※最終日の2月5日(日曜日)は16時に閉館となりますのでご注意ください

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群馬交響楽団スペシャルコンサートに参加しました。

こんにちは、空間演出デザインコース准教授の田村吾郎です。
1月15日に私が企画・演出という立場で関わってきたクラシック音楽系プロジェクトのコンサート(群馬県、群馬交響楽団の共催)が開催されました。

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このプロジェクトは、「インクルーシブ(誰もが分け隔てなく参加できること)」をテーマに、群馬県内の4つの特別支援学校の児童・生徒の皆さんとアートワーク(絵画のような作品)を作成し、その作品をもとに作った映像をコンサート会場の壁面天井全面にプロジェクションマッピングするというものです。

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コンサートの様子

 

コンサート当日は、客席の一部を取り払い、車椅子やストレッチャーのまま鑑賞したり、ラグに寝転がったまま音楽が聴けるといった特別な鑑賞エリアを設け、200名超の障がい(聾・盲・肢体障がい・知的障がいなど)をお持ちの方と随伴の方にご来場いただきました。

一般的なクラシックコンサートの場合は、障がいを持った方の参加率は1%未満と言われていますが、今回のコンサートでは当日来場者の25%が障がい者及びその随伴者であったことから、テーマである「インクルーシブ」は十分に実現できたのではないかと感じています。

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ワークショップの様子

 

ワークショップやコンテンツ制作では、本学部の宮元三恵教授、深澤健作准教授も参加。
また、学生5名(2〜3年)も当日の会場設営や誘導、記録といった業務に参加しました。
今後も社会のつながりを通じて新たな空間表現を続けていきたいと思います。

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学生の様子

 


〈コンサート情報〉
MUSIC × ART × TECHNOLOGY
群馬交響楽団スペシャルコンサート

日時:2023年1月15日
場所:昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)
指揮/鈴木優人
ピアノ(収録)/金子三勇士 
演出/田村吾郎

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東京オートサロン2023で発表しています。(1月15日まで)

こんにちは。工業ものづくりデザインコース教授の酒井です。
12月にこのブログでお伝えした〈TOM’S×大学生による「クラウン+α」の新たな価値想像プロジェクト・ワークショップ〉の提案が発表されましたので紹介します。

プロジェクト・ワークショップの内容は(TOM’S × 大学生によるワークショップを開催しました)をご覧ください。

2日間のワークショップの最後にプレゼンテーションした内容を展示発表するために各チームが作業を続けてきました。さらに工業デザイン専攻の両コースの学生だけでなく、視覚伝達デザインコースの学生が加わり、グラフィックレイアウトのデザイン作業を行い3つのチームの提案がそれぞれ特徴のある内容になりました。

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展示されているパネル

3つのチームのコンセプト

「クラウン→スニーカー」
高級車であるクラウンを若者にとって身近な「スニーカー」のような存在となるように提案

「クラウン−車」
クラウンから「車」という要素を取り除いて見えてきた魅力を大学生の視点で整理し、新たな魅力、価値として再定義した提案

「クラウン+ソフトムス」
一般的には硬いイメージのある車をとことん柔らかいものにして乗る人が包み込まれる空間を提案。トムスのハードなイメージを「ソフト」なものに変える!?

 

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TOM’Sブースの様子

これらの提案を1月13日から開催の東京オートサロン2023のトムスブースにてパネル発表しています。ビジネスデー(業界&報道関係者)となる展示初日には多くの方にご来場いただき、提案に対して様々なご意見を頂戴することができました。さらに会場では視覚情報デザインコースの学生が撮影、編集制作したワークショップの様子のムービーも公開しています。

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会場にて参加学生とトークセッションを開催しました

 

この様にデザイン学部の4つのコースの学生が協力して制作を進めることができることが本学部の特徴であり、今回はその特徴がよく表れたプロジェクトとなっています。
14日(土)・15日(日)の2日間も開催していますので、会場にお越しの際には展示ブースまでお立ち寄りください。

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たくさんの方にご覧いただいております。

 


東京オートサロン2023
日程:2023年1月13日(金)14日(土)15日(日)
会場:幕張メッセ
https://www.tokyoautosalon.jp/2023/
(入場の際は事前にデジタルチケットが必要となります。
 詳細はイベントホームページをご覧ください)

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デザイン学部の工業デザイン専攻について

こんにちは。工業ものづくりコース講師の堀川卓哉です。

東京工科大学デザイン学部は、初学からデザインの分野に進めるという大きな特長があります。
中でも工業デザイン専攻では工業デザイン、空間デザインの学びを通しながら自身の興味のある分野に取り組んでいくことができます。

今回は、これまでのブログの記事の中から「工業デザイン専攻」についてまとめたものと、新たに12月末行われた演習課題の制作発表会の様子を紹介します。
「工業デザイン専攻」は3年次から「工業ものづくりデザインコース」と「空間演出デザインコース」に分かれていきます。

工業デザインという広い分野の中から学びを進め技術修得や専門知識の実装を通して、進路を定めながらそれぞれコースを選択していきます。
以下の記事は2年次後期に実施される「専門演習I」での「工業ものづくりデザインコース」の課題の紹介記事と、3年次前期の演習科目「工業ものづくりデザインコース専門演習II」の記事です。さらに「専門演習I」での「空間デザインコース」の課題発表会の様子を紹介します。それぞれ専門性の高い様々な演習を行っています。(年によって、課題の内容は異なります。)

 


工業ものづくりデザインコース演習授業の発表会を開催しました

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http://blog.ds.teu.ac.jp/blog/2021/11/post-8f1adb.html

 


工業ものづくりデザインコースの授業紹介

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http://blog.ds.teu.ac.jp/blog/2022/08/post-9fb4f9.html

 


また、デザイン学部では、地域連携や産学協働の活動も積極的に行なっています。
以下の記事は、2021年度に行なった公開講座です。コミュニティデザインの分野から地域とのつながりを発見して学びに生かしていきます。
(こちらも、年によって開講されるものは異なります)

大田区の地域講座を実施しました

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http://blog.ds.teu.ac.jp/blog/2021/11/post-6e9291.html






 

ここからは2年次後期の演習科目「空間演出デザインコース専門演習Ⅰ」より最近の授業を、空間演出デザインコース講師の御幸朋寿が紹介します。
「専門演習Ⅰ」はデザイン学部に入学して初めて取り組む、実践的なデザイン課題になります。
この演習では空間デザインの基礎となるスケール感(モノの大きさを捉える感覚)やモノ・事の関係性を把握し、場を作りあげる能力を培うために、個人とグループの2つの課題を行いました。

個人課題では「椅子のある魅力的な空間」をテーマに名作椅子を各自で選び、椅子や周辺環境等の特徴や関係性を読み解き空間をデザインしていきます。
名作椅子といっても、年代、素材、作られ方、使われ方・目的等、様々な特徴があります。
また、周辺環境も騒がしい都会や閑静な住宅街、寒いところ、暖かいところ、森や草原など色々な環境があります。
こういった様々な要素の関係性を関係づけながら、ひとつの魅力的な空間を構築していきます。

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水面の反射を取り入れた空間演出の提案※第1課題学生作品

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第1課題最終発表会でのプレゼンテーションの様子

 

第1課題の最終発表会では、CGやスケッチ、模型など様々なメディア(表現方法)を駆使してプレゼンテーションを行っており、学生それぞれが感じる魅力的な空間を提案していました。

第2課題(グループ課題)では「校内の休憩所」をテーマに、空間をデザインし、100本の1㎝角材とその他の素材を用いて、実際に校内に設置する空間をデザインしました。
グループでそれぞれのアイデアを、ディスカッションやプロトタイピング(モノを作りながら考えるプロセス)と進め形にしていきます。実際に自分たちで考えた空間を制作し設置することで、モノの大きさを捉える感覚や空間の作られ方、グループでの役割分担など、空間デザインに必要な様々な知識や技術を経験することになります。

 

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第2課題の最終プレゼンテーションに向けた準備の様子

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屋外でのプレゼンテーションの様子

 

第2課題の最終発表会では、それぞれのグループが選んだ場所でプレゼンテーションを行い、小規模の空間ではあるものの、CGや模型だけでは伝わらないリアルな空間デザインを伝えることができました。
グループ課題であること、実際に空間を制作するという条件のもと、休日や空いている時間を皆で使って制作したことで、個人課題では味わえないような、達成感を感じることが出来たという声が聞かれました。

今回ご紹介した演習から見られるように、興味や関心から学びを広げ、専門性を持って卒業することができます。

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デザイン学部学生、映像コンペでの受賞について

こんにちは、視覚情報デザインコース准教授の伊藤英高です。新年早々、嬉しいニュースがありました。今回はその学生の映像作品受賞についてお知らせいたします。

視覚デザイン専攻に所属する4年の石塚瑛介さん制作の映像作品が、「第10回八王子Short Film映画祭」において学生部門の準グランプリを受賞しました。

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受賞した作品は「Dancing with...」というアニメーションの作品。
「ダンス」をテーマに、2人の少女が登場する作品ですが、みなさんが通常思い浮かべるアニメーションとは少しイメージが違うかもしれません。
キャラクターの表情やセリフは無く、グラフィカルなキャラクターデザインと背景の中でストーリーが展開されていきます。

さらに工夫されているのが画面構成です。まるでエレベーターの断面を観ているように画面がスクロールしていき、時間を俯瞰しているような感覚が得られます。
また、登場するキャラクターの動作も実写のダンスの動きを取り入れた、特殊な技法を駆使して作画されています。

実際の製作時間も気になるところですが、実は、この作品、学部3年で学ぶ「専門演習」という授業で制作した課題作品でもありました。
今回、学生部門の準グランプリを受賞した「八王子ShortFilm映画祭」は「未来の巨匠を夢見る若者たち」の登竜門ですが、デザイン的な視点で制作された石塚さんのアニメーションが評価されたことは大変喜ばしいことです。

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石塚さんは現在、卒業制作の真最中です。
来月2月2日から開催の卒業制作展でも新作が上映予定です。
デザイン学部学生の卒業制作に触れる機会に是非、足をお運びください。


デザイン学部卒業制作展
https://www.teu.ac.jp/gakubu/design/sotsuten/index.html

第10回八王子Short film映画祭
https://hachioji-filmfestival.com/

「Dancing with...」作品ページ
https://ishizukaeisuke.myportfolio.com/dancingwith

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永島譲二客員教授「次世代のモビリティー提案」の特別授業

工業ものづくりコース講師の相野谷です。
新年あけましておめでとうございます。

今回は昨年11月に実施した元BMWのカーデザイナーである永島譲二客員教授をお迎えした「次世代のモビリティー提案」の特別授業を紹介します。

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永島先生によるコンセプトカー解説:形状が変わるボディ構造

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永島先生によるコンセプトカー解説:自動運転によるインテリアデザイン

 

モビリティーというとカーデザインと考える人も多いと思いますが、現代において移動することはあたりまえな活動であり、日常生活の中に切り離せない活動となっています。
しかし新型コロナウイルス禍により、移動の意味はより価値のある体験と感じた人も多いと思います。
通勤や通学、人と会うことが難しかった時期もあり、旅行への思いを巡らせた人も多かったのではないでしょうか。
このような経験も含め2035年の移動をグループで考え、さまざまな提案を考え、展開しました。
この課題では、人にとって歩くことの意味や、地域における移動、街の再開発における移動の再定義など、モビリティデザインの裏側にあるシステムや都市開発までも考慮した検討にまで発展しました。

 

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地域に合わせた工業デザイン専攻学生によるモビリティのプレゼンテーション

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目的に合わせた工業デザイン専攻学生によるモビリティのプレゼンテーション

 

また授業内では永島先生が関わられたコンセプトカーの開発事例紹介や、海外でのカーデザイナー就職活動の紹介なども含めて多くの国際的な学びがある授業となりました。


普段の授業とは違う貴重な機会となりましたので、今後この授業の詳細をまとめる予定にしております。

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