感性演習 「伝える」展示と発表
こんにちは、視覚情報デザインコース 講師の田邉雄一です。
今回は、視覚デザイン専攻の2年生が前期に取り組む感性演習「伝える」の中で、「記憶を伝える」という課題での展示・プレゼンテーションの様子を紹介いたします。
この課題は過去の記憶から五感を通して感じたことを、形にするところから始まります。抽象化ということも意識した課題となりますので、味覚・臭覚・聴覚・触覚などはどのように視覚化するか大切な要素となります。見る人に伝える、共感が得られるように抽象化を進めます。
【作品とプロセスシート】
こちらの作品のテーマは「解」です。受験の時に悩み苦しめられた頭の中から導き出された答えを表現しています。
当初、記憶のイメージから書いたスケッチでは、自分が勉強している俯瞰の姿でしたが、そこから自分の頭の中のイメージを抽象化していくことができました。解けなくて悩み苦しんでいる様子を曲線のうねりや線の太さの強弱で表現しています。また、何層にも重なっていることで、その苦しさの奥行きが伝わってきます。箱の奥行きをうまく利用した表現となりました。「解」の周りにスペースを取ることで、悩み苦しめられた問題からスッキリ解答が出たことが伝わってきます。一つの空間の中でもストーリーが見えてきますね。
また、作品制作だけでなく、最初のキーワードからスケッチの展開や試作など、作品の完成へ向けてのプロセスもまとめることで、自分の思考を改めて振り返ることもしております。
プレゼンテーションルームの展示台に作品を並べ、ライティングにもこだわった展示は2年生にとって初めての経験となります。制作するだけでなく、作品を見てもらい評価を受ける経験もとても大切なことです。
プレゼンテーションでは、スクリーンに作品を大きく投影し、大人数の前で発表します。初めての経験でとても緊張したかと思いますが、自分の作品を伝えるために、どのような順序で話を組み立てるのかとても大切なことです。
また、新型コロナィルス感染対策のため入室する人数を制限し、隣接する演習室からも学生が、投影されたプレゼンテーションを見てコメントを残す工夫をしました。
【プレゼンテーションルームと演習室を中継で繋いでいる様子】
デザイン学部では、課題を制作するだけでなく、展示や発表なども含め、総合的な力を養っていきます。
みなさんも、味覚・臭覚・聴覚・触覚など、形のないものをどのように形にするのか。また、世の中にはそのように、イメージを可視化できるものがたくさんありますので、身近なテーマから抽象表現を探求することも面白いかもしれませんね。
こちらの記事では、感性演習「伝える」ついてより詳しく、また私の研究についても触れております。是非ご覧ください。
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