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日瑞建築文化協会が主催するトークイベント『スイス建築と循環』に登壇しました

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こんにちは、空間演出デザインコース助教の小山祐輔です。この度、トークイベントに登壇しましたのでその時のお話をします。

JSAA(日瑞建築文化協会)企画にて、スイス人建築家E2APiet Eckert and Wim Eckert Architekten)の展示が開催され、そのイベントとして「スイス建築と循環」と題し、トークイベントが行われ登壇しました。本学部からも12名の学生が聴講しました。

 

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日本とスイスでは共通点が多く見られます。例えば、国際的に高く評価されるものづくりの質や、国土の大半が山岳地域で、その周囲を海や山に囲まれ“孤島”状態にある環境も挙げられます。

近年の両国には資源に対する意識の違いがあります。戦後復興の波に乗る日本では以前とは異なる”スクラップアンドビルド”が主となり、古いものを新しくすることでより多くの資金を循環させました。また災害の多い国であり、建材を多く必要とすることも関わっているのです。

一方で、スイスでは、建国当初から資源の限られる厳しい環境だったからこそ、3R(リサイクル・リユース・リデュース)が徹底され、幼少期から資源の大切さについて学びます。また観光資源である美しい風景を守るために、建物を新築する際には「ふさわしいデザインか、建築するべきか」を市民投票によって話し合うことや、築数百年の石造りの建物を現代でも当たり前に活用していること等が挙げられます。国民一人ひとりが環境にもたらす影響を強く意識しているのです。

そんな背景の中、30年ほど前にスイスから誕生したのが「FREITAG(フライターグ)」です。このブランドのバッグは、本来であれば捨てられるはずの廃棄物から作られています。

創業者のフライターグ兄弟は、処分に困るカラフルで防水性のポリ塩化ビニール製の丈夫な生地に、新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせることに成功しました。現在では、土に還る生地の開発にも取り組み、環境に負荷をかけない生地のサイクルを実現しようとしています。

当日参加した学生たちからは、「廃材を減らす為に、廃材に価値を与えてデザインしていくといった考え方も今後のモノづくりに活かしていきたい」「素材は地球上に沢山あると言う言葉が印象的だった。身近なゴミを溶かして、3Dプリント等で再利用してみたい」「ひとつの使われなくなったものを無駄にせず、また違う形で使われるものへと変化させることの大切さをこれからの学びにも活かしていきたい」等などの感想が寄せられました。

私にとっても、参加した学生にとってもデザインができることについて考える貴重な機会となりました。

 

E2A展「Methodologies - スイス建築の方法論」

http://js-aa.org/event003.html
(展示公式リンク)

https://www.japan-architects.com/ja/architecture-news/zhan-lan-hui/e2a-zhan-methodologies-suisu-jian-zhuno-fang-fa-lun
(Japan Architectによる展示取材記事)

 

 

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(C)2012 Tokyo University of Technology, School of Design.