視覚伝達デザインコースでビジュアルコミュニケーションを学ぶ
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視覚デザイン専攻教員の末房です。視覚伝達デザインという分野で最も基礎となるキーワードの一つがビジュアルコミュニケーションです。
ビジュアルコミュニケーションとは何でしょうか。
ビジュアルとは、視覚的に訴えるものやことですから、絵や写真・動画や文字といった視覚的なイメージによって、メッセージを受け手に伝え働きかけるコミュニケーションと言えるでしょう。
今回は、2年次後期の視覚伝達デザインコース「専門演習Ⅰ」についてご紹介します。本学部では、基礎をしっかりと学修したうえで段階的に学修していくカリキュラムになっていますが、2年次のこの授業では、課題を通してより良いビジュアルコミュニケーションとはどのようなものかについて学びます。
他の要素を思い切って削ぎ落としたフラットな緑色の色面が、伝えたいことを明解にして視覚的な効を奏している。
今年度の授業では、ポスターのデザインに取り組みました。ポスターというと印刷物という印象が強いかもしれません。
しかし、ポスターのビジュアルは、例えばウェブサイトのトップページに配置されてメインビジュアルとして、一瞬にして視る人をその世界観に誘う効果や、伝えるべきメッセージを的確に知らせる重要な役割を担ったものにもなります。従って、ポスターのデザインを制作することは、視覚伝達デザインの基本を学ぶ上で重要なのです。
今回は、「気候変動」という大きなテーマについて取り上げました。先ず、グループに分かれて、気候の変動によって現在どのような問題が起きているのかを調べ、社会に伝えるべきメッセージを絞り込み、私たちの生活の中で皆が自分の事として認識するためには、どのような内容にするべきかについて考え抜いたうえで、その結果をスクリーンに映像として投影するなどして発表(プレゼンテーション)しました。その後は、グループ内の各自が個人制作として、そのメッセージをどのような視覚的デザイン―ビジュアルとして表すかに取り組みました。
私たちの身の回りには、視覚的に訴えるメディアが多くあります。
例えば、身近なものとしてはスマートフォンやパソコン、駅などの公共の空間に設置された大型のモニター映像、本やカードなどの印刷物も挙げられます。どれだけメディアが発達しても、視覚的に伝えるものは、結局は「絵や写真・動画」と「文字や言葉」などによって作られている、という基本は変わりません。その絵や写真と文字などをいかに視やすく構成し、メッセージを伝える効果のあるものにするか、というのが、視覚伝達デザインの分野の基礎といえるでしょう。
(デザイン学部 末房志野)