演習課題:食べ物についてのインフォグラフィックス
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視覚情報デザインコースで専門演習Ⅰを担当している田邉です。
専門演習Ⅰは、2年次後期から始まる演習です。
今年度の最初の課題では「食べ物」についてのインフォグラフィックスに取り組みました。
(インフォグラフィックスとは、数値や情報を、文字だけでなく、図やイラストを用いてわかりやすく伝える視覚表現です)
この課題では、先ず、「食べ物」に関連したテーマを自分たちで設定し、どのような捉え方ができるのかを考察し、扱う情報、伝え方の切り口、調査・情報の整理を行います。その内容をもとに、グラフィックとしての面白さや美しさも兼ね備えることで、伝わりやすく見ごたえある作品にするのです。限られた範囲の中で単純にグラフィックを作るだけではなく、初見で伝えるべきところ、理解させる順番、視線誘導、ストーリーや期待感など、どのように情報を伝えていくかを計画して制作していきます。
この課題は、グループワークとなっていますので、作業分担や情報の共有、制作スケジュールの確認などチームで協力して成果を出していくことも重要となります。連携がスムーズにできたチームもあれば苦労したチームもありましたが、どの学生も、個人制作では経験のできないものを修得することができたと思っています。
以下、各チームがどんなものを作ったかを紹介しましょう。
・「食と名画」をテーマにしたチームは、美術館を背景にして各年代の名画とともに、画家の生きた時代、その土地に存在した食べ物を絵画のように飾って紹介しました。また背景を美術館としたことでビジュアルとしても映える作品となりました。
・「昆虫食」をテーマにしたチームは、実際に食用に加工された昆虫を購入して実食していました。単純に調べて制作するだけでなく、味や匂いなど学生たちで体験することも大切な調査の一つとなったようです。
・「出前の歴史」をテーマにしたチームは、電話がない時代の注文方法や、徒歩や自転車での出前の範囲、近年の配達パートナー、近未来でのドローンを活用しての配達方法などを取り上げ、出前を通じての人とのコミュニケーションの変化を考えさせられる作品を制作しました。
学生はこの授業を通して、文字だけではなくグラフィックを多用して伝えるという、情報デザインの面白さを実感できていました。
(デザイン学部 田邉雄一)